人口減少問題で住まいはどう変わっていくのか

少子高齢化社会の到来や生涯未婚率の上昇などの、社会状況の激動をうけて人口減少の傾向が今後も継続する可能性が高いと推測されています。人口減少傾向や過疎化は、若年者の就業先が乏しい地方においては特に顕著で、極端な事例では限界集落現象が発生し集落自体が消滅の危機に瀕しているエリアは珍しくありません。

人口減少傾向は地方だけでなく、東京23区内でも早晩深刻な影響をもたらすとの統計も出されていることから日本全国において、問題視されているようです。十分住まいの機能を保持している中古物件でも、親が死亡すると遠方で新居を構えている息子や娘が後を継ぐことなく事実上管理が放置されていることもあります。

空き家になると住まいの劣化は急速に進行するので不動産価格の低下をもたらします。地域の不動産相場はさほど下落していない場合でも、管理放棄されたような中古物件は、資産価値の毀損が進行し価格低下の負のスパイラルの陥ることになるのは確かです。管理もされない中古物件は、雑草に覆われ各種の害虫の温床になるばかりか、病原性微生物の蔓延を招きます。とりわけ中古物件では毀損が進行すると、雨漏りや基礎構造にも悪影響が波及し倒壊や崩落のリスクを抱えることになり問題視されているのです。

また中古物件を管理することには、固定資産税などの固定費用の負担を伴います。固定資産税は古い建築物であってもそれなりの税金を納税しなければならないので、管理コストもかさみます。つまり人口減少社会においては居住する予定のない家屋などの中古物件は、資産価値よりもむしろ負債として実感される意味合いが濃厚になりつつあります。資産価値のない不動産は魅力が少ないので、無駄な費用をかけるくらいなら問題解決を先送りして、管理もしないまま放置される傾向はさらに激化すると考えることが出来ます。

こういったトレンドの定着は住まいを所有するのに比較すると、賃貸物件への人気を高める要因として作用するものと推測できるでしょう。住まいを所有すると修繕費用を工面する必要があり固定資産税などのコストが必須です。これに比較して賃貸物件では、賃料や敷金礼金などのコストを負担することになるものの、面倒な管理の手間から解放されます。従って今後は賃貸物件へのニーズが増加するものとみられています。

老後はコンパクトなエリアですべてがそろう都市部でのニーズが増加するので、地方の過疎と都市部の賃貸物件の高い人気は今後も継続するでしょう。

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